「大体、阿良々木さん、さっきからとてもふてぶてしいですっ! 反省の色が見えませんっ! 少女のデリケートな胸に触っておいて、一言くらいあってもいいでしょう!」

「……ありがとう?」

「違いますっ! 謝罪を要求していますっ!」

「そんなこと言われても、あんな取っ組み合いの最中だったんだから、どう考えて不可抗力じゃん。胸くらいで済んでよかったと思って欲しいくらいだよ。それにさっき羽川も言ってたろうが。どう考えてもあんな洒落にならないレベルで他人に噛みついてきた、お前が悪いぞ」

「どっちが悪いかなんて問題ではありませんっ! たとえわたしが悪いとしても、それでもわたしは多大なるショックを受けたんですっ! ショックを受けている女の子を前にしたら、自分が悪くなくとも謝るのが大人の男ではないのですかっ!」

「大人の男は、謝らない」

僕は声を低くして、言った。

「魂の価値が、下がるから」

「格好いいーっ!?」


「それとも、八九寺は謝られないと許せないって言うのか? 謝ったら許してやるなんて……そんなの、相手が格下でない限り寛容になれないってことじゃないか」


「なんと、わたしが非難される立場に!? 盗人猛々しいとはこのことです……も
う本気で怒りました……温厚な私ですが、仏の顔もサンドバッグですっ!」

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